──アートディレクションはほとんどHISHOさんが担当している。
慎 アイドルってどうしてもビジュアルが先行するものなので、一番最初から一緒にできるアートディレクターがいたのはよかったですね。例えば、途中でデザイナーが変わることでイメージがどんどんが変わっていってしまうのが一番いやだった。
HISHO まわりを見てるとアイドルまわりのクリエイターは入れ替わりが激しくみえるんですよ。アイドル運営さんって、結構手一杯でやってるところが多くて、予算もスケジュールもぐっちゃぐちゃ。そんな状況でこれでお願いします! って。だからかな、単純に(仕事を)振られてるだけじゃないと感じられるのはありがたいです。
──運営陣ではないですが、アイドルとして動き出す前、コンセプトをつくるところから参加されていたんですよね。
HISHO 週2,3回夜中に呼ばれてました、家も全員近かったから…。
慎 コンセプトについては、バックグラウンドだけはしっかり決めておこうと。それが「インディーズミュージシャンたちの曲をアイドルというフィルターを通して広めること」。
その中から「内なる狂気」っていうコンセプトがあがってきた。
HISHO バックグラウンドでやりたいことは決まってたから、オーディションと同時並行で進んでたんですよね。
──ロゴ制作についてお話をうかがえますか。
HISHO 今のデザインにたどり着くまでにかなりかかりましたよね。
慎 僕ら運営陣としても判断能力が成熟していなかったんです。デザインのことに関して言えば素人だったし、はじめてのことも多い中で決めきれなかったんですよね。
ロゴもパターンを出してくれてるけど、どれがええんかなと。実際にプロジェクトが動き出してきて、方向性が見えてくるようになっていきました。
HISHO 最初は「ヤなことそっとミュート」って、名前に引っ張られすぎてたんですよね。否定とか狂気、ちょっと後ろ向きだったりとか。そういうイメージの提案が通らない。ビジュアルも同じで怖い方向は通らなかった。その点は音楽で伝わればよかったんですよね。
「ヤなことそっとミュート」って名前が後ろ向きにも捉えられかねない、ポジティブではないものとはいえ、(音楽性と)バランスを取って、ロゴでは全振りしなくてもいいだと。だからタイポグラフィとして引っかかりのある方向に切り替えていきました。
──名前の強さから離れていくことを意識した。
HISHO 細かい話になるけど、ボールドじゃないし、スタンダードでもない…ちゃんと形作られているようなイメージではないと思ったんです。文字一つ一つのなかで強弱や間隔を変えたり。儚さを感じられるようなイメージを与える点は特に気をつけてデザインしました。
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ヤなことそっとミュートの
クリエイティブの裏側に迫る制作ノートシリーズ
アイドルに寄せたくない──海から現れた少女たち
https://www.foriio.com/works/18/notes/33
連日徹夜で制作した1stシングル
https://www.foriio.com/works/23/notes/37
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